2004-01-01から1年間の記事一覧

四方田犬彦『ハイスクール1968』(300字読書日記vol.3)

新潮社、2004年2月、1600円+税 ISBN:4103671041 Jazzやビートルズ、「ガロ」、そしてバリ封――。1960年代末から70年代はじめにかけての日本文化を語るのに欠かせないエピソードがちりばめられた著者の自伝。 学生運動や三島の自殺など暗い時代から来るべき「…

〈世界〉の成り立ちについて

ようやく「グッバイ、レーニン!」を観た。 何をもって人は生きているといえるのか、信念とはなんだろうか、〈世界〉を成り立たせているものはなんだろうか。いろいろと考えさせられた映画だった。1つの世界が崩壊し、ベルリンの壁が壊れて、「豊か」だと創…

紙粘土、2時過ぎ

もう何年ぶりだろうか、紙粘土にひさしぶりにさわった。 それでこれがけっこう楽しい。 紙粘土で何かを作るなんてことは、おそらく小学生ごろまでだったと思うが、気がつくと時計は2時過ぎ。こんなに集中することも最近にはなかったので、妙な充実感。 粘土…

街のイメージ

今日は、六本木のランダムウォークで戸田ツトムと田中純のトークショーを聞きにいった。 デザイナーと表象分析の研究者が、「都市・イメージ・記憶」というテーマでそれぞれの領域を語るというもの。 詳しくは http://www.marugao.jp/ あまりにテーマが抽象…

時代は過去をめざし、妄想はどこへ向かう?

飯田橋のギンレイホールに映画を見にいった。「グッバイ、レーニン!」と「ぼくは怖くない」の二本立てである。個人的には前者のほうが見たかったのだが、あんまり時間を考えずに出かけたことと、二本立てはつらいので後者だけを見てきた。 映画の内容はとい…

夜の散歩

昨夜遅く、久しぶりに散歩に出た。 深夜徘徊で注意される歳でもなく、なんとなしに、気ままにおもむくままに1時間ほど近所を歩いた。それでいくつか気がついたこと。1、近所には以外と公衆電話が多い。 住宅街なのに意外と公衆電話が多かった(たぶん)。…

リチャード・ロジャースほか『都市、この小さな惑星の』

野城智也/手塚貴晴/和田淳訳 鹿島出版会、2002年5月、2800円+税 ISBN:4306044262 先日、展望台に昇った。360度の眺望が開けたそこから見えた都市は、いったいどこまで続くのかと思うほどの建物群が連なっていた。境界を消滅させ、近隣地域をその内に取り…

パオロ・マッツァリーノ 『反社会学講座』(300字読書日記vol.1)

イースト・プレス、2004年6月、1429円+税 ISBN:4872574605 『反社会学講座』を読んだ。 すでに各紙誌の書評で取り上げられていて、いまさら内容を紹介する必要もないが、これがけっこう面白い。 これまで「常識」と考えられていたことを、その「常識」を成…

猫がくる家

長い間、人が住んでいなかったわが家は、近所の猫の通り道なっている。とにかく猫がたくさんいるところで、朝、昼、夜と違う猫が屋根の上やひさしはもちろん、文字どおりの「猫のひたい」の庭もわがものがおで歩いている。きょうも窓の近くで雑誌を読んでい…

ぼろやの記憶はどこにいく

先日、世田谷美術館で「宮本隆司写真展」を見てきた。建築の死と再生を記録してきた写真家だが、やはりなかでも阪神・淡路大震災の写真にはことばを失った。いくつかの建築に関する書籍でなんども見てきた写真だが、スケールの大きい展示は、これまでとは違…