2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

三崎亜記『廃墟建築士』『バスジャック』

「廃墟建築士」というタイトルに、 磯崎新を連想し、興味をおぼえ手に取る。名前は知っていたが、初めて読む作家。 非常に読みやすいが、今の時代の空気をうまくとらえており、 しっかり楽しめる内容。 全部で4篇からなるが、個人的に「廃墟建築士」と「図書…

木田元『木田元の最終講義 反哲学としての哲学』

著者じゃないけれど、 同じ作家の著作を立て続けに読むと 少しだけ理解が深まる気がする。 本書は、著者の最終講義をまとめたもの (正確に言えば、講義用のノートをもとにまとめたもの)。 講義用の文章だから、通常の哲学書よりも 読みやすいが、けっして…

野口里佳『鳥を見る』

もう何年か前に品川の原美術館で個展を観て以来、 ずっと気になる写真家の1人である野口里佳。 最近作品を観てないなあ、と思っていたら、 偶然、青山ブックセンターで 昔の作品集が面陳されていたのを見つけ、 購入。 「潜る人」「鳥を見る」「フジヤマ」の…

木田元『新人生論ノート』

「人生論」と聞いて、 すぐに思い出すのが三木清の『人生論」だが、 本書は、それとは似てもにつかない内容である。 記憶や過去、笑いといった身近なテーマを取り上げ、 筆者自身の体験をまじえて 哲学を考えるというもの。 これだけ書くと、ありきたりの哲…