藤竹暁『都市は他人の秘密を消費する』(300字読書日記vol.7)

都市は他人の秘密を消費する (集英社新書)
集英社新書集英社)、2004年10月、700円+税
ISBN:408720264X


これはないだろう、というのが正直な感想。タイトルからセキュリティやプライバシーをメディア受容の観点から読み解くのかと思いきや、全く違った(もっとも目次からわかることで、買った私が悪いのだが……)。それにしてもあんまりである。
話は要するに探偵と社会の関係の変遷で、探偵小説ファンでない私には、文献や解釈に目新しいものはなくところどころ現代とリンクさせるのも中途半端。しかもオチはといえば、プライバシーと個人的関心をともに生かす着地点を探る努力が必要! わかってるよ、そんなこと。いま問題なのは、ではどうするかということではないか? 終章でスタートに戻されるとは、はっ!まさかそれが狙い? ブーンブーンブーン。