木田元『新人生論ノート』

「人生論」と聞いて、
すぐに思い出すのが三木清の『人生論」だが、
本書は、それとは似てもにつかない内容である。


記憶や過去、笑いといった身近なテーマを取り上げ、
筆者自身の体験をまじえて
哲学を考えるというもの。


これだけ書くと、ありきたりの哲学入門書のようだが、
さにあらず。
ハイデガー研究書の、あの難解さとはうってかわって、
小説のように読ませる文章に、
ぐいぐい引き込まれた。


哲学なんて役に立たない、なんて
つまらないことをいってないで、
ぜひ一読するべき本である。


新人生論ノート (集英社新書)

新人生論ノート (集英社新書)