ポール・オースター編『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』

昨晩深夜、オバマ新大領領の就任式をテレビで観た。
彼の演説や、それに応えてアメリカ国旗を振り続ける聴衆の姿は、
アメリカがいかに打ちのめされているのか、
そしてそんなときにあの国の人々は、
「ファナティック」といえるような
一枚の岩の団結力を発揮するものなのだ、
という感じになった。


でもそれは、テレビがつくりだした
表層的で単純な印象である、と思う。


本書は、著者がコメンテーターを務める
ラジオ番組に投稿された、読者の体験談を編んだものである
動物、物、家族など、いくつかの項目に分類されながら、
喜びや悲しみ、怒り、ちょっとした奇跡など、
180の、私たちとなんら変わりのない日常が
描かれている。


アナトール・フランスは、
「本と接することで人生を知った」と語ったが、
強く同意する。


ナショナル・ストーリー・プロジェクト ? (新潮文庫)

ナショナル・ストーリー・プロジェクト ? (新潮文庫)

ナショナル・ストーリー・プロジェクト ? (新潮文庫)

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