池坊日記

●生花:正風体・二種生け
【花材】桜、アイリス
【ポイント】伝花の桜は、行・草の置生けに限る。二重切りや掛生けと釣生けに限る?。背のあまり高くない横にはったつぼ広口の手のない大かごに生けるのが決まりである。
一方、ほかの桜は、普通の花と同じ扱いとする。一種生けまたは当季の小草を根締めに配してもよい。
枝振りによって、真・行・草のいずれの花形にも生けることができる。
桜は雄大、荘厳、豊艶に生けるのであるが、伝花よりは派手さを控えて生け、また松とは挿し交えない。
また、桜はしたから順に咲く情景を生かし、真の梢にはつぼみがらがふさわしく、中段、下段、副にかけて開花を多く用いる。
桜は艶を旨とするため、枝に多少の交差ができても切らず、姿が寂しくならないようにする。
【感想・メモ】
桜は矯めがきく花材とのことで、バキバキと音が鳴るぐらいまでしっかり矯めても水が下がらないそうである。また、枝の生育状態から陰と陽を見極め、真と副、真の前あしらいと後ろあしらいでそれぞれ和合させること。

●生花:正風体・アイリスの五本生け
【花材】アイリス
【ポイント】アイリスはアヤメ科。ジャーマンアイリスとダッチアイリスの2種に分かれるが、花材としてはダッチアイリスを採用する。
背丈は30センチから50センチで、まっすぐな茎のいただきに三方に外皮片を下重ねし、三枚の内皮片は立つ状態で一花咲くと、花は紫、藤、白、黄色など。