アガリクスが可哀想…か? 「広告批評」2005年6月号

広告批評2005年6月号

深澤直人の仕事を特集した雑誌「広告批評」の2005年6月号を読んだ。作品に好き嫌いはあるけれど、さすがに活躍しているデザイナーだけあって、含蓄のある言葉、思想があっておもしろいし、ためになる。ヒットするものにはそれだけの理由があるものだと、改めて感じさせられた。とくに大貫卓也との対談がおすすめ。
で、気持ちよく特集を読んでから、広告の「批評」とされている箇所を読んだのだが…。果たしてあれは批評というのだろうか…。なんだかただのカタログと感想文のような気が…。この雑誌は、いつ読んでもこの部分で萎えてしまう。
もちろん、カタログであることは悪くないし、だいいち一つ一つの広告をとってあれこれ批評するのは、たしかにあまりスマートではない。このぐらいがわれわれ読者にはちょうど良いのかもしれない。「あの広告なんだかおもしろいよね」「うん、じつはここがミソね」「なるほど」、みたいな感じ、で。うむ、無害である。
でも、やっぱり天野祐吉の「今月の広告時評」にある次の一文は、あまりにもひどい気がする。
「この商法(注:アガリクスの効用を過大に表現した書籍をつくって宣伝すること)の被害者は、その本を買わされ、さらに"特効薬"としてアガリクスを買わされた人たちだが、必ずしもそれだけではない。アガリクスという"健康食品"もまた、気の毒な被害者である。」
もう、意味わかんない。
日々駄文を書き連ねている自分を棚に上げてなんだけど、広告がもつ力(良いものにしろ、悪いものにしろ)に対して、もっと真剣に向き合うべきではないだろうか? 少なくても彼はそういう立場にいる人だと、思う。