須田國太郎展@国立近代美術館

休日、天気も悪くなかったので、かみさんと一緒に竹橋の国立近代美術館まで歩いて出かけた。途中、武道館の横を抜けていったのだが、春が近づいてるようで木々の新芽はだいぶ膨らんできていた。春近し、である。
国立近代美術館で開催していたのは「須田國太郎展」。須田國太郎(1891−1961)は京都生まれの洋画家で画家としてだけでなく、教育者としても活躍した人物であるそうだ。もちろん、私は今回の展覧会が初見である。
日本人の洋画家といえば、数カ月前に見た佐伯祐三の作品がとても印象強く残っているが、須田の作品も同じく心に残る図が多かった。好みもあるだろうが、とくに若いころの作品のタッチは強さと描かれている風景の「におい」が香り立つような空気がみなぎっている。佐伯のような翳りがあり、どこか見ていると胸の奥が詰まってくるような緊張感はないのだが、とにかく熱を感じるような絵が多かった気がする。
もうひとつ印象深かったのがその作品対象の広さである。ほんとうにあらゆるものを描いているのではというほどの対象への関心の幅は、これも他の作家からはあまり感じたことがない。まだまだ知らない作家がたくさんいるものである。
作品のボリュームもあり、なかなか見所のある展示だった。

ちょうど渡辺力の企画もあったので、ついでに見学。可もなく不可もなく家具の展示である。しかし、リキスツール、リキロック……このネーミングはいつ聞いても力が抜ける。不抜けた気持ちを立て直すために(うそ)、かみさんの画材を買いに新宿の世界堂までさらに歩く。ついでに、どうせ描きもしないのに自分用にキャンパスを買う。
けっこう長い時間歩いた。よい散歩になったが、風邪を引いてしまった。